土の中の子供 /中村文則

・形式

小説、中篇

・あらすじ

27歳のタクシードライバーをいまも脅かすのは、親に捨てられ、孤児として日常的に虐待された日々の記憶。理不尽に引きこまれる被虐体験に、生との健全な距離を見失った「私」は、自身の半生を呪い持てあましながらも、暴力に乱された精神の暗部にかすかな生の核心をさぐる。人間の業と希望を正面から追求し、賞賛を集めた新世代の芥川賞受賞作。

・収録話数

全11章

・初出

新潮、2005年4月号

・刊行情報

土の中の子供(新潮社)

2005年7月

土の中の子供(新潮文庫)

2008年1月1日

・受賞歴、ランキング

第133回芥川龍之介賞(文藝春秋、2005年9月号)

・読了日

2017年3月28日

2017年6月21日

・読了媒体

土の中の子供(新潮文庫)

六刷

・感想メモ

銃、遮光、悪意の手記ときてようやく主人公は恢復したのだろうか?とにかく女性との関係が進展し得ることは間違いなく、それは作者にとって画期的なことだろうと思う。(2017.06.21)

社会で上手く生きていくことができていないような人々の息苦しさと生きづらさ、不満、怒りのようなもの、それは社会の中で外見的には楽しく生きているような人たちへの反撥とも表裏一体のようで、冒頭の不良たちに向かっていきあっさりと殴り倒されてしまうシーンなどまさにそうだ、とにかく作品内の一貫したテーマともなっている。

暴力を振るわれる側、壁と卵で言えば卵の側の人たちがもがいていくさまを描こうとした小説。これは大きく理解と共感に左右されてしまう小説であるといえ、読みやすく共感できる小説が求められてしまう昨今珍しいタイプの小説であり、そのために両極端な評価にさらされてしまいそうで、登場人物の名前が白湯子という妙な名をつけられていることなど読者に読みが委ねられている部分を無視してしまっていないか慎重になりたい。(2017.08.26)

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