・形式
小説、長篇
・あらすじ
27年後の未来の娘からメールが届いた。でもぼくには娘はいなかった。そしてぼくは、これまでとは違う世界に生きることになる……並行世界を行き来する量子家族の物語。第23回三島由紀夫賞受賞作。
・収録話数
全二部
・初出
新潮、2008年5月号~2009年8月号
・刊行情報
クォンタム・ファミリーズ(新潮社)
2009年12月
クォンタム・ファミリーズ(河出文庫)
2013年2月
・受賞歴、ランキング
第23回三島由紀夫賞(新潮、2010年7月号)
小川洋子△
「物語に引きずり込まれていく快感はあったものの、それがあくまで作者のコントロールの下の、あらかじめ設定された範囲内に留まっている。」
川上弘美◎
「最後の「汐子」の章にふられた番号にぐっときました。候補作全体を読んでまずこの作品に〇をつけました。」
辻原登△
「様々な装飾を取り払ってみると、作者の狙いどおりかもしれないが、かなり荒涼とした、通俗的な世界になる」
平野啓一郎◎
「ボルヘス的な数学的可能性の中の生という主題を、「35歳問題」を通じてリリカルに導入しつつ、作者は、閉鎖系のシステムの中での主体的な人間像から、四方八方に破れ放題になった世界の人間像へと、言葉による転換を誠実に試みている」
町田康〇
「アイテムや筋、設定に既視感があり、また「自分」というものの取り扱いもありきたりであるが、ただ他の候補作と比べてもっとも小説として魅力的だったために推した。」
・読了日
2017年2月10日
・読了媒体
クォンタム・ファミリーズ(新潮社)
・感想メモ
優れた小説だと思ったけど、その理由をちゃんと言葉にはできなくて、それは僕がいまだに村上春樹の世界の終りを総括できていないからだろうという予感。(2017.02.10)
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