・形式
小説、長篇
・あらすじ
恋人の美紀の事故死を周囲に隠しながら、彼女は今でも生きていると、その幸福を語り続ける男。彼の手元には、黒いビニールに包まれた謎の瓶があった──。それは純愛か、狂気か。喪失感と行き場のない怒りに覆われた青春を、悲しみに抵抗する「虚言癖」の青年のうちに描き、圧倒的な衝撃と賞賛を集めた野間文芸新人賞受賞作。若き芥川賞・大江健三郎賞受賞作家の初期決定的代表作。
・収録話数
全12章
・初出
新潮、2003年6月号
・刊行情報
遮光(新潮社)
2004年6月
遮光(新潮文庫)
2011年1月1日
・受賞歴、ランキング
第26回野間文芸新人賞(群像、2005年1月号)
奥泉光
川村湊
佐伯一麦
笙野頼子
久間十義
山田詠美
第129回芥川龍之介賞候補
・読了日
2017年6月1日
・読了媒体
遮光 (新潮文庫)
十一刷
・感想メモ
カミュやドストエフスキー、あるいは実存主義文学を現代的に書こうとしたらこうなるのかもしれないなと思った。しかし死に抵抗することは困難なことだ。銃の同工異曲と言えばそれまでになってしまうが、それで解釈を止めてしまうのはもったいないように思えてくる本。(2017.06.01)
中村文則を読んできて、この小説が一番好きかもしれない。(2017.08.27)
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