・形式
小説、長篇
・あらすじ
町外れの砂原に建つ“緑の家”、中世を思わせる生活が営まれている密林の中の修道院、石器時代そのままの世界が残るインディオの集落…。豊饒な想像力と現実描写で、小説の面白さ、醍醐味を十二分に味わわせてくれる、現代ラテンアメリカ文学の傑作。
・収録話数
全五部、全十五章
・初出
1966年
・刊行情報
緑の家(新潮社)
1981年3月
緑の家(新潮文庫)
1995年
緑の家 上下(岩波文庫)
2010年8月19日
・翻訳者
木村榮一
・受賞歴、ランキング
第1回ロムロ・ガジェーゴス賞
・読了日
2016年11月19日
・読了媒体
岩波文庫
第10刷
・感想メモ
まだ最初の章だけどめちゃくちゃおもしろい。語りがいいのか、親しみのない単語を含んだ文章でも頭にスッと入ってくる。当たりなのがはっきりと分かって嬉しい。
複数の筋が並行して進んでいく小説が好きだし、今書いてる小説も2つの筋が並行していく形態をとっているんだけど、緑の家は2つどころではないので感心しきり。
登場人物が多いのでメモを取りながら読んでいるんだけど、百年の孤独を読んだときはメモを取ったのが失敗だったので、その二の舞にならないことを祈るばかり。
まるで細かく何回も回想が挿入される映画みたいに、なんの説明も改行もなく過去と現在の描写が交差しつつ続いていって、かなり読みにくいんだけど、めちゃくちゃおもしろいので全く苦にならない。まだ序章といったところなのになんでこんなにおもしろいのか…
全体の1割くらい読んでもまだまだ導入で、話はようやくこれから進むのかな?といった感じなのにおもしろいのは、語りや小説のスタイルが僕と合ってるのかも。
何の説明も改行もなく細かくシーンが入れ替わるので、蛍光ペンで塗り分けたくなってきた。
やっと上巻読み終わったけど、時系列ぐちゃぐちゃでまだ分からない。これから下巻。時系列はぐちゃぐちゃ、あまりにも不親切なシーンの転換、350ページにしては多すぎるほどの登場人物、小出しにされた限定的な情報、慣れないスペイン語の固有名詞。とても読みにくい小説だけど、なぜかおもしろい不思議。
下巻も読み終わったけど、各エピソードが完全には繋がってなくて間が気になる。まるでたくさんのおもしろい噂話をバラバラに聞いたみたいだった。(2016.11.19)
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