『にごりえ』樋口一葉の感想

未分類

『にごりえ・たけくらべ』 樋口一葉著/新潮文庫

【内容】

酌婦の身を嘆きつつ日を送る菊の井のお力のはかない生涯を描いた「にごりえ」.東京の下町を舞台に,大黒屋の美登利,龍華寺の信如,正太郎,長吉たち思春期の少年少女を描いた「たけくらべ」.吉原遊廓という闇の空間とその周辺に生きる人びとに目を向けた一葉の名篇を収める.詳細な注を加えての改版.(注・解説=菅聡子)

落ちぶれた愛人の源七とも自由に逢えず、自暴自棄の日を送る銘酒屋のお力を通して、社会の底辺で悶える女を描いた『にごりえ』。今を盛りの遊女を姉に持つ14歳の美登利と、ゆくゆくは僧侶になる定めの信如との思春期の淡く密かな恋を描いた『たけくらべ』。他に『十三夜』『大つごもり』等、明治文壇を彩る天才女流作家一葉の、人生への哀歓と美しい夢を織り込んだ短編全8編を収録する。

【感想】

樋口一葉と言えば五千円札、五千円札と言えば樋口一葉ということで読んでみたのは良かったんですけど・・・、すいません文語体は苦手です。そのため「にごりえ」しか読んでいません。

例えば「ねへさうではないか」が「ねぇ、そうではないか」であるのに気がつかず、「ねへさう」ってどういう意味の単語なんだ?と思いをめぐらすこと数十秒。

あと会話文に「」がついていなかったり、いきなり人が出てきて誰?文語体だから読み飛ばしてしまったかと振り返ること幾たび。途中から黙読では話を追うことが出来なくなり、音読(!)しました。音読も新鮮でなんか楽しくなってきました^^

個人的には終わり方に驚きました。明治という時代は知りませんが、終わり方は日本人らしいのかも知れないと思いました。ただお力がどう感じていたのか。

何うで幾代もの恨みを背負て出た私なれば爲る丈の事はしなければ死んでも死なれぬのであらう、情ないとても誰れも哀れと思ふてくれる人はあるまじく、悲しいと言へば商賣がらを嫌ふかと一ト口に言はれて仕舞、ゑゝ何うなりとも勝手になれ、勝手になれ、私には以上考へたとて私の身の行き方は分らぬなれば、分らぬなりに菊の井のお力を通してゆかう、人情しらず義理しらずか其樣な事も思ふまい、思ふたとて何うなる物ぞ、此樣な身で此樣な業體で、此樣な宿世で、何うしたからとて人並みでは無いに相違なければ、人並の事を考へて苦勞する丈間違ひであろ、(p26)

解説によると、一葉自身とても貧しく大変な暮らしを送っていたということで、そのせいか厭世的な思いがあったのかと思いました。この引用部分でもわかるように悲しい雰囲気が漂っている作品だと思います。文も僕が読みにくいだけであらためて見ると美しい文なのかとも思いました。

・形式

小説、短篇

・あらすじ

落ちぶれた愛人の源七とも自由に逢えず、自暴自棄の日を送る銘酒屋のお力を通して、社会の底辺で悶える女を描いた。

・収録話数

全八章

・初出

文芸倶楽部、1895年9月

・刊行情報

・読了日

・読了媒体

にごりえ・たけくらべ (新潮文庫)