『69 sixtynine』村上龍の感想

小説

『69 sixtynine』 村上龍著/集英社文庫

・内容

流されて生きるのはまっぴらだ!全共闘、ビートルズ。これらの言葉が、まだ想い出ではなかった’69年、佐世保。17歳の僕は世間に反抗し、刺激的な青春を駆け抜けていた。(解説・林 真理子)

1969年、僕は17歳。無秩序で無垢なエネルギーが爆発する、明るくキケンな、話題の自伝的青春小説。

・感想

この小説の感想を一言で表現しようとするなら「しょーもないけど、面白い」といったところだろうか。

17歳の主人公は全力で高校生活を楽しもうと日々を奮闘している。教師や学校に反発し、米軍が在住し戦争を身近に感じざるを得ない佐世保の街に住んでいることもあってかベトナム戦争に反感をもって(?)、女の子と仲良くなろうとし、仲間とつるんでバリケード封鎖をして警察に行ったり、舞台をやろうとすれば少々危険な人達と関係を持ったりもする。自伝的青春小説とあるが本当に村上龍氏がこのような高校生活を送ったのかと少し羨ましい気もする。

最近の若者は・・・などという言葉は永遠に不滅の物だと信じているが、それにしたって何と彼らの人生の楽しんでいることだろう。真面目とは対極にある姿かも知れないが、実はこういう何も考えず巫山戯てばかりいるようで、実は実行力を持つ(勉強ができるという意味ではなくて)頭の良い人間のほうが「有能」であったりするのだ。

小説からは、様々な感情を感じれたり、もしくは現実では描写の難しいような場面を描くことは容易である。その中で小説で描くのが難しいのが、一つは例えばカーチェイスなどのアクションがある。私が思うに次は喜劇であるだろう。映画やドラマならば役者の演技である程度は笑わせられるだろう。変わった表情をして転んだだけでも充分だろう。だが小説で「彼は不思議な表情のまま文字通りバナナでも踏んだかのように転んでしまった」
とか書いても全く面白くもなんともない。

高尚な純文学を読むことも重要であるが、面白さに突出した本作も読まれてはいかがだろうか。

・形式

小説、長篇、高校生、コミカル

・あらすじ

1969年、東京大学は入試を中止した。人々はビートルズに熱狂し、世論はベトナム戦争に揺れていた。僕は長崎県佐世保市、基地のある町に暮らす高校三年生。なにか面白いことをしたい、みんなを驚かせたい、女の子にモテたい!ただそんな気持ちから、僕は仲間たちと一緒に学校をバリケード封鎖した―。爆発しそうな衝動と真っ直ぐな心をあわせ持った高校生たちを描く、青春小説の金字塔。

・収録話数

・初出

・刊行情報

69 Sixty nine(集英社)

1987年8月

69 sixty nine(集英社文庫)

1990年

69 sixty nine(文春文庫)

2007年8月1日

・読了日

2008年8月6日

・読了媒体

69 sixty nine(集英社文庫)

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