『GO』金城一紀の感想

小説

『GO』 金城一紀/講談社

【内容】

【著者紹介】

金城一紀

1968年生まれ。『GO』で直木賞受賞。

【感想】

国籍という縛りは非常に厄介なものです。ですが、現代においては金銭で売買されることもあるようなのですが、それは裕福な国に限定されていて、それが戦争の火種になったり、同じ信条、人種、思想の持ち主でも、争いが止んでいないことは言うまでもない事実のようです。それは日本だけの話だけではありません。

あなたの友人、同僚が実は韓国人で日本に帰化していたとしていたら・・・。「別に気にしないよ」と言い、以後も何の変化も見せず接することのできる人はごく少数でしょう。いや言うだけなら言うかもしれません。だがそこに漂ってしまうぎこちなさはどうしようもありません。それは、不必要な先入観に支配されてしまっているということになり、ます。「韓国は、北朝鮮は反日だから」そんな色眼鏡は、メディアによってつくられた現実に過ぎません。確かに彼らが日本に対して行うブーイングなどの行為は目に余るものがありますが、だからといって、目の前の外国人を拒絶することはしたくないものです。

本作の主人公は、在日韓国人(コリアンジャパニーズ)の高校生です。彼は、コリアンジャパニーズに対する偏見や差別に辟易とし、国籍を日本にしただけではなく、民族学校ではなく普通高校に通うことで名実共に日本人になろうとするのですがそうはいかないのです。彼女にも「日本人でないこと」を話すのですが、その途端に拒絶されてしまいます。身体に流れる「血」には逆らえないのです。

本作ではそんな理不尽さというか、現実と向き合う一高校生が描かれていますが、完璧すぎるという思いに駆られるものの、易しい文体でかつ押しつけがましくなく問題を描ききったのは、見事な実力です。登場人物が綺麗すぎて、小説の中の人間としか思えないということもありますが、そんな悪口を言いたくなるのもこの小説の読後感が爽やかだからです。

第123回直木賞受賞

・形式

小説、長篇

・あらすじ

広い世界を見るんだ―。僕は“在日朝鮮人”から“在日韓国人”に国籍を変え、民族学校ではなく都内の男子高に入学した。小さな円から脱け出て、『広い世界』へと飛び込む選択をしたのだ。でも、それはなかなか厳しい選択でもあったのだが。ある日、友人の誕生パーティーで一人の女の子と出会った。彼女はとても可愛かった―。感動の青春恋愛小説、待望の新装完全版登場!第123回直木賞受賞作。

・収録話数

・初出

・刊行情報

GO(講談社)

2000年3月30日

GO(講談社文庫)

2003年3月

GO(角川書店)

2007年5月1日

GO(角川文庫)

2007年6月1日

・受賞歴、ランキング

第123回直木三十五賞(オール讀物、2000年9月号)

・読了日

2008年4月11日

・読了媒体

GO(講談社)

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