『チェケラッチョ!!』秦建日子の感想

小説

『チェケラッチョ!!』 秦建日子著/講談社

・内容

ラップでラヴでライブでピース!!
文芸界の新星が書き下ろす青春ラブ&ラップストーリーinオキナワ
「は?」
「おれ、わかっちゃったんだ」
「なにが?」
「おれたちが今、やるべきことさ!」
「ハイ?」
「それはよー!よー!ラップだよー!よー!」

・感想

アメリカで行われたとある実験の話を聞いたことがある。どのような実験かというと、食事中に流すBGMを変えると客に何か影響を与えるかというものなのだが、非常に興味深い結果が出た。テンポの速い、比較的激しい曲をかけると客が料理を食べる速さが増し、量も増える、けれども、比較的穏やかな曲を流すと、客が料理を食べる速さは遅くなり、量も少なくなるというものだった。これから見てもわかるように音楽が人に与える影響は大きい、そういう意味でも、音楽は人の生活と切手も切り離せないものになったと言える。学校という教育機関においてもそれは顕著であり、義務教育の過程で音楽の授業は欠かせない。ましてや、オーケストラの演奏会ともなれば、その目に見えない最上級の芸術(娯楽)に多額のお金を払うようになった。

さて、私はというとそのようなオーケストラの演奏会に行ったことは数えるほどしかなく、本作で描かれるような、バンドやラップといったものはほとんど聞かない。

前述の通り、本作ではバンドやラップといったものが描かれるー沖縄で絶大な人気をほこるバンド「ワーカ・ホリック」に魅せられた3人の少年達が自ら「098」というバンドを組む。だが、所詮は素人であり、演奏は騒音としか思えないような段階であったため、「ワーカ・ホリック」のメンバーの涼太から、非難されてしまう。

そんな3人組を時に暖かく、時に冷ややかに見守っているのが、幼なじみの「唯」である。「透」に思いを寄せていながらも素直ではない彼女、そんな彼女にその思いを自覚させたのは、当初騒音としか思えなかった、「098」のつくりだした音楽なのである。非難した涼太本人をも変えさせた音楽ー技術面もさることながら精神面が成長したものだった。

唯の姉である「美奈」は、20歳年上のアメリカ人「アンジー」と結婚してしまう。結婚に大反対した父は、一升瓶を抱えて押入にこもってしまう。そんな彼に結婚を認めさせたのは、098の音楽だったのか。唯の必死の訴えだったのか。

それにしても、唯はいい子過ぎるだろう…

・形式

小説、長篇

・あらすじ

恋とラップの青春ストーリー in 沖縄 唯と透は、沖縄北部の町に暮らす高校生。人気インディーズバンドのライブに影響されて、透と暁と哲雄がラップグループを結成すると言い出した――。

沖縄北部の町に暮らす女子高生・唯は、恋愛やオトコに興味津々な青春真っ盛りの18歳。いつも一緒にいる同級生仲間の透、暁、哲雄が、人気インディーズバンドに影響されて、ラップグループを結成すると言い出した。果たして、彼らのライブは成功するのか?そして、唯と透の関係はどうなる?

・収録話数

・初出

・刊行情報

チェケラッチョ!!(講談社)

2006年2月

チェケラッチョ!!((講談社文庫)

2007年12月14日

・読了日

2008年3月1日

・読了媒体

チェケラッチョ!!!(講談社)