『決戦前夜 Road to FRANCE』金子達仁の感想

ノンフィクション

『決戦前夜 Road to FRANCE』 金子達仁著/新潮文庫

【内容】

1997年フランスW杯アジア地区最終予選。序盤戦の危機を乗り越え、日本代表チームは、ジョホールバルでイランとの最終戦に臨む。監督更迭・選手間の世代ギャップ・戦術の転換・衝撃の交代劇・・・。彼らはあの時なにを感じ、どう考えていたのか。川口能活、中田英寿らに対する綿密な取材を通じ、悲願の本大会出場までの精神と肉体の極限を描く、渾身のノンフィクション。

【著者紹介】

金子達仁

スポーツライター。1966年、神奈川県横浜市生まれ。法政大学卒業後、『サッカーダイジェスト』編集部を経てフリーに。1997年、サッカー・アトランタオリンピック代表を取材した『叫び』『断層』でミズノ・スポーツライター賞受賞。

【感想】

現在、サッカー日本代表の監督は岡田武史氏がつとめています。そして、この物語の舞台であるフランスワールドカップアジア最終予選の後半も岡田氏が監督をつとめています。

「ジョホールバルの歓喜」として日本サッカー史に残る、イラン戦をはじめとしてソウルでの韓国戦などワールドカップ予選の激戦を戦う日本代表を扱った物語です。

当時、日本代表には名選手と呼ばれる選手が多くいました。井原正巳、秋田豊、相馬直樹、名良橋晃、名波浩、北澤豪、三浦知良、中山雅史、城彰二、などは当時を直接知らない僕でも名前を聞いたことのある選手ばかりです。そして、20歳の中田英寿と22歳の川口能活がいた。本作は、中田英寿と川口能活を中心として代表の奮闘ぶりを描いています。2人の苦闘と成長が描かれています。思いが正直に語られているので当時を知らない人も楽しめます。

1997年、4年前のドーハの悲劇によってアメリカワールドカップ本大会出場を絶たれた日本代表は「出なきゃいけない大会」としてフランスワールドカップの予選を戦っていました。だが監督の采配ミス、選手間の考え方の違いにより日本は大苦戦を強いられることになります。

最後のイラン戦は、日本側だけでなくイラン側にも名選手がいました。FWには、アリ・ダエイとアジジがいたし、なにより中盤にはマハダビキアがいた。そんな難敵相手に日本代表がどんな試合をしたかは、ぜひ自分の目で確かめてください^^

現在日本代表には司令塔がいません。1人が皆をひっぱていくというのは、もう古いのかもしれませんが、私は今頃になって中田英寿の存在の大きさを実感しています。そんな私は今、梅崎司、家長昭博、柏木陽介、水野晃樹、本田圭祐の成長を期待しています。

・形式

ノンフィクション、サッカー、ワールドカップ、日本代表

・あらすじ

1997年フランスW杯アジア地区最終予選。序盤戦の危機を乗り越え、日本代表チームは、ジョホールバルでイランとの最終戦に臨む。監督更迭・選手間の世代ギャップ・戦術の転換・衝撃の交代劇…。彼らはあの時なにを感じ、どう考えていたのか。川口能活、中田英寿らに対する綿密な取材を通じ、悲願の本大会出場までの精神と肉体の極限を描く、渾身のノンフィクション。

絶望、逆転を繰り返し、極限の感情に揺さぶられながら、ついに獲得した日本サッカー、W杯出場権。選手たちの心のひだに入りこみ、東京からジョホールバルまでの71日間の緊迫のドラマを描破するノンフィクション。

・収録話数

・初出

・読了日

2008年2月11日

・読了媒体

決戦前夜 Road to FRANCE (新潮文庫)