・形式


小説、長篇


 



・あらすじ


日本中が震えたベストセラー待望の文庫化


妻を殺し、それでも生きる。心の奥に想いを秘めて――


「妻を殺しました」。現職警察官・梶聡一郎が、アルツハイマーを患う妻を殺害し自首してきた。動機も経過も素直に明かす梶だが、殺害から自首までの2日間の行動だけは頑として語ろうとしない。梶が完全に“落ち”ないのはなぜなのか、その胸に秘めている想いとは――。日本中が震えた、ベストセラー作家の代表作。


 



・収録話数


 



・初出


 



・刊行情報


半落ち(講談社)


2002年9月


 


半落ち(講談社文庫)


2005年9月


 


 


・受賞歴、ランキング


第128回直木三十五賞候補(オール讀物、2003年3月号)


井上ひさし


△「疑問とすべき箇所も多いが、作者の新工夫は、ここでも光っている。すなわち事件を警察の内部から、たとえば言えば、総務課から描こうとする作者の発明がここでは一段と強調されている。また、呆れるほど頻繁な行替えや体言止めの多用など、これまでの小説技法では禁じられていたものを逆用して、文体を読みやすくした工夫もさらに徹底されている。」


 


黒岩重吾


×「緊迫感を伴い読者を引っ張ってゆく手腕は申し分がない。ただ何時も感じることだが、これだけ活躍しているにも拘らず、登場人物に汗の臭いが感じられない。一歩踏み出し推すのをためらう理由である。」



宮城谷昌光


×「目くばりの悪さがある。みなければならぬものをみる速度が、小説の豊かさを殺いでいる。小説の筋をふくめてきれいでありすぎることは、魅力に欠けるということでもある。」



北方謙三


×「妻を殺しながら人を助けようとする、主人公の生命に対する考えに抵抗が多かったのだという気がする。細かいところで私はいくつかひっかかっていたが、そこは物語の流れの中で読み過し、正直、意表を衝かれた。」


 


渡辺淳一


×「期待して読んだが、いささか失望した。その最大の弱点は、中心人物ともいうべき、妻殺しの警官が、つくられた人形のように存在感がなく、魅力に欠けることである。」


 


林真理子


×「一般読者と実作家とは、こだわるポイントが違うのだろうかと考えさせられた一冊だ。」


 


阿刀田高


×「ヒューマニズムを訴える点では盛りあがりに欠け、加えて現実には不可能な設定があるとなると、リアリティーに欠け困ってしまう。最後に主人公の梶聡一郎の章が必要だったのではないか。」


 


田辺聖子


◎「すべてが解明されたあとの納得のあと味も爽快感あり。ただ設定上の疑問点を指摘する声もあり、魅力ある作品だが、ついに見送られて私としてはいたく残念であった。」



津本陽


◎「私が推そうと思った作品であった。ちょっと行儀がよすぎるようにも思えたが、悪くない。しかし、手続上の問題で疑義があるとのことであったので、つぎの作品を待つことにした。」



平岩弓枝


×「作者はもう直木賞を受賞してよい実力者なのに、今回の作品には大事な部分に問題点が指摘されたのは惜しかった。」



五木寛之


×「前半三分の一まで引き込まれて読んだが、後半の予定調和的な結果には、大いに失望した。組織と人間の悪を描くことに徹すれば、この作家は大きな存在になるかもしれない。」


 


 


週刊文春ミステリーベスト10、2002年第1位


 


このミステリーがすごい!、2003年第1位


 



・読了日


不明


 



・読了媒体


半落ち(講談社)


 



・感想メモ


小説は良いと思ったけど、あんまりな直木賞選考だった…(2018.06.12)