・形式


小説、連作短篇


 



・あらすじ


2009年吉川英治文学新人賞受賞作。
 かつて「孤高の小学六年生」と言われた男を待つ、軽妙で感動の物語。


深夜のバー。小学校のクラス会の三次会。四十歳になる男女五人が友を待つ。
 大雪で列車が遅れ、クラス会同窓会に参加できなかった「田村」を待つ。
「田村」は小学校での「有名人」だった。有名人といっても人気者という意味ではない。その年にしてすでに「孤高」の存在であった。
 貧乏な家庭に育ち、小学生にして、すでに大人のような風格があった。


 そんな「田村」を待つ各人の脳裏に浮かぶのは、過去に触れ合った印象深き人物たち。
 今の自分がこのような人間になったのは、誰の影響なのだろう----。
 四十歳になった彼らは、自問自答する。


 それにつけても田村はまだか? 来いよ、田村。


 酔いつぶれるメンバーが出るなか、彼らはひたすら田村を待ち続ける。


 そして......。


 自分の人生、持て余し気味な世代の冬の一夜を、軽快な文体で描きながらも、ラストには怒濤の感動が待ち受ける傑作の誕生。


 


 


・収録話数


第一話 田村はまだか


第二話 パンダ全速力


第三話 グッナイ・ベイビー


第四話 きみとぼくとかれの


第五話 ミドリ同盟


最終話 話は明日にしてくれないか


特別収録 おまえ、井上鏡子だろう


解説 米光一成


 


 


・初出


 



・刊行情報


田村はまだか(光文社)


2008年2月20日


 


田村はまだか(光文社文庫)


2010年11月20日


 


 


・受賞歴、ランキング


第30回吉川英治文学新人賞(小説現代、2009年5月号)


 


浅田次郎△  


「来るべき人間がなかなか来ないという、ある不安定な時間に想像力を働かせた小説で、この設定ひとつにしてもまことセンスがよい。」



伊集院静○  


「候補作の中で一番安堵して読むことができた。どこにでもあるようなちいさな存在である人の集まりに、誰でもが経験し、大切にしてきた記憶があり、その時間に奇妙なかがやきがある。それが人間、群像であるということを作者は心得ている。いや信じているのではなかろうか。」



大沢在昌○  


「この作品に単純な感動や癒しはなく、むしろ心の内側のヒダを爪でひっかいてくるような感触があり、それが不快ではない。作者独特の才能といえるだろう。」



高橋克彦△  


「豊饒な長編に見劣りしてしまうのも確かで、今回の結果はそういう思いの表われではなかろうか。」



宮部みゆき△ 


「自分だったらどう書くかという議論にまで発展し、それだけ内圧の高い作品だったということです。」「小説でないと書けないものを書いた素敵な小説です。」


 



・読了日


 



・読了媒体


田村はまだか(光文社文庫)


7刷


 



・感想メモ


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