・形式


小説、短篇集


 



・あらすじ


二つの書庫と巻き貝状の小べやのある「昭和」の家庭で育ったひとり児の運命。記憶の断片で織りなされた、夢のように美しい世界。第148回芥川賞受賞作。


 



・収録話数


abさんご


なかがき



タミエの花



 



・初出


abさんご  早稲田文学5号、2012年9月


虹     読売新聞、1963年7月28日


タミエの花 シジフォスNo.12(同人誌)、1968年3月


毬     シジフォスNo.13(同人誌)、1968年11月


 



・刊行情報


abさんご(文藝春秋)


2013年1月20日


 



・受賞歴、ランキング


第63回読売短編小説賞(「毬」)


丹羽文雄


 


 


第24回早稲田文学新人賞(「abさんご」早稲田文学5号)


「黒田夏子さんの『abさんご』が群を抜いて素晴らしかった」


選考委員 蓮實重彥


 


 


第148回芥川龍之介賞(「abさんご」文藝春秋、2013年3月号)


高樹のぶ子◎


「これはテーマと冒険心と、長年にわたる大和言葉の研鑽が作り出した奇蹟の一作」



小川洋子△  


「身についた言葉を一旦忘れて、あるいは忘れた振りをして書く、とは何と不思議な試みだろうか。たとえ語られる意味は平凡でも、言葉の連なり方や音の響きだけで小説は成り立ってしまうと、『abさんご』は証明している。この小説を読むことは、私にとって死者の語りに身を委ねるのに等しかった。」



宮本輝◎  


「強固な文学観を土台とした稀に見る特異な才能だと思い、私は受賞作として推した。」



山田詠美× 


「正直、私には、ぴんと来ない作品で、何かジャンル違いのような印象は否めなかったし、漂うひとりうっとり感も気になった。選考の途中、前衛という言葉が出たが、その言葉を使うなら、私には昔の前衛に思える。洗練という言葉も出たが、私には、むしろ「トッポい」感じ。」



川上弘美〇 


「この家庭に入りこんでくるいやらしい女に対して、あまりに元々の家の住み手が無批判すぎません? などと思う自分は、卑俗なのかなあと不安になったりもしつつ、やはりここにある日本語はほんとうに美しいなあと、うっとりしたことでした。」



奥泉光〇 


「横書きされたひらがなの放つふてぶてしさのようなものが感得されて、このふてぶてしさは、物語をただ消費すればよいとする風潮への、幽かに悪意の匂いのする批評につながっているとも感じられた。」



堀江敏幸〇


「もってまわった言い方で一般的な言葉遣いを回避しようとする文体上の屈折には、蚊帳の内と外を見極める洗練の力と同等のあやうさがある。しかし、このあやうさがなかったら、つまり書法・書記法への意識がなかったら、何十年かの時間を凝縮してなお瑞々しい声は聞こえてこなかっただろう。」



村上龍×


「推さなかった。ただし、作品の質が低いという理由ではない。これほど高度に洗練された作品が、はたして新人文学賞にふさわしいのだろうかという違和感のためである。」



島田雅彦〇


「ひらがなを多用した横書きは読み進める速度を落とさせ、手ずから編み込んだコトバの綾の鑑賞を強いるようになっている。」


 



・読了日


 



・読了媒体


abさんご(文藝春秋)


 



・感想メモ


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