本の情報ブログ 火の秋のモノガタリ

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赤蛙 /島木健作

・形式

小説、短篇

 


・あらすじ

真摯なる生の探求者・島木健作の精選作品集母の存在と転向を真正面から扱った「第一義の道」、北海道開拓に関わる一技官の成長を追った「土地」、心境小説の名作「赤蛙」等、島木文学の精髄六作品を収録。


出獄後の生き方を模索する順吉の前に立ちはだかる母の存在。“義”に生きようとしつつも、それを果たせぬ焦燥と苦悩を描いた「第一義の道」、生きものの生死を通じて自己を見つめた心境小説の名作「黒猫」「赤蛙」「ジガ蜂」、“北方人の血と運命”をかけ、長篇として構想されながらも絶筆となった「土地」等、六篇を収録。苦多き短い生涯を、求道的な精神とストイックな理想主義で貫いた島木健作の稀有なる文業を精選。

 


・収録話数

 


・初出

 


・刊行情報

 


・読了日

2008年8月17日

 


・読了媒体

青空文庫

 


・感想メモ

赤蛙を読みました。

 


何もこの小説が読みたくなって読んだわけでも、島木健作を読みたくなったわけでも何でもありません。ウラ・アオゾラブンコのおまけに、「青空文庫で読める名作選」というものがあって、たまたま短編のこれを選んだだけの話です。

 


本作はその題の通り、体調を崩した主人公が質の悪い部屋に通され、不満さを少しでも解消しようと外出して、川を渡る赤蛙を見る、それだけの話です。所詮はただの蛙であるはずですが、主人公は蛙を蛙よりは高等な存在として捉えているかのように、蛙の自然に対する挑戦を、最初は上からの目線で、しかし次第に同じぐらいの立場から見るようになっていきます。

 


これは、伊坂幸太郎にも共通することでもあって、デビュー作である『オーデュボンの祈り』では、


「動物を食って生きてる。樹の皮を削って生きている。何十、何百の犠牲の上に一人の人間が生きている。それでだ、そうまでして生きる価値のある人間が何人いるか、わかるか」
「ジャングルを這う蟻よりも価値のある人間は、何人だ」
「わからない」
「ゼロだ」


などというやりとりもあります。

 


きっと似たようなものではないでしょうか。遺作っていうのも関係してるかも知れません。(2008.08.17)