本の情報ブログ 火の秋のモノガタリ

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猫泥棒と木曜日のキッチン /橋本紡

・形式

 小説、青春

 


・あらすじ

 お母さんが家出した、わたしたちを置いて。お父さんはずっと前にいなくなった。けれどもわたしは大丈夫。弟のコウちゃんと二人で生きていく。友だちの健一君だって応援してくれる。そんなある日、わたしは道ばたで「絶望」に出会ってしまった。失くした希望を取り戻すために、拒まれた願いを実現させるために、高校生・みずきの戦いと冒険が始まる。生きることへの励ましに満ちた物語。

 


・収録話数

 


・初出

 


・刊行情報

猫泥棒と木曜日のキッチン(メディアワークス)

2005年8月1日

 

猫泥棒と木曜日のキッチン(新潮文庫)

2008年11月27日

 


・読了日

2008年1月2日

 


・読了媒体

 猫泥棒と木曜日のキッチン(メディアワークス)

 


・感想メモ

本作はいきなり、「お母さんが家出した」で始まります。

 


でも、一ヶ月も過ぎたのにも関わらず、「雨は嫌ですねえ。ほんとにねえ。その程度の意味しかない。」とみずきは言い切ります。とても、のんびり暮らしていますし、会話もそんなんです。

 


言い忘れてました、本作は全力で家族小説をしているわけではないです。社会問題を取り扱ってるわけでも、そんなにない。つまりは青春小説です。

 


メインの登場人物2人は恋をしていますが、何も相思相愛ってわけじゃありません。みずきは不器用さゆえに実らない恋をしていますし、それを相談された健一は何も言えません。青春です。羨ましいくらい、楽しそうです。

 

「猫泥棒と木曜日のキッチン」と「誰も知らない」

 

是枝裕和監督の「誰も知らない」が映画化されたときに、このテーマがさんざん取り沙汰されました。そこでもともとこのようなテーマで作品を書くことを考えていた橋本さんは問題が語られる中で小説を書くことを決意されたようです。

 


「誰も知らない」は僕も見たことがあります。とても淡々と進んでいく映画でした。子供たちは苦労しますし、異常事態も起こります。そこで、橋本さんがあとがきで言われているように、大方の意見がひとつになってしまったのは分かる気がします。そうでないとは言っても、なかなか認められるものじゃない。その一つの解答として本作があると思います。

 


だから本作のあとがきは本当に秀逸なのです。(2008.10.13)