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本の情報ブログ 火の秋のモノガタリ

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cocoon /今日マチ子

・形式

漫画、長編、戦争、沖縄戦、ひめゆり、女学生

 


・あらすじ

憧れも、初恋も、爆撃も、死も。
シマいちばんの女学校に通う主人公・サンは、クラスメイトとともに学徒隊として戦地に赴く。
戦況の悪化とともに、ひとり、またひとりと学友を失う中、
世界の凄惨さと自己の小女性の狭間でサンは…。
文化庁メディア芸術祭「審査委員会推薦作品」、
「ダ・ヴィンチ」の「今月の絶対外さないプラチナ本」選出。
2013年には岸田國士戯曲賞を受賞した藤田貴大の作、演出で
「マームとジプシー」により舞台化もされた。


「センネン画報」「みかこさん」など若者の透明感ある日常を描いてきた叙情漫画家・今日マチ子が、沖縄のひめゆり学徒隊に着想を得て、思春期の少女たちの視点から戦争を描いた長編傑作。
どの時代にも響きつづける、少女と戦争のエポック・メイキングです。

 


・収録話数

1.太陽の島

2.シャボンの手

3.白い影

4.暗闇とペン先

5.死體置き場

6.解散命令

7.甘いミルク

8.炎の海

9.砂を掃く

10.星空*1の下で

11.黑い鳥

12.椿散る

13.花火のあと

14.滿ち潮

15.新しい世界

 

 

・初出

エレガンスイブ、2009年5月号-2010年7月号

 

 

・刊行情報

cocoon(秋田書店)

2010年8月20日

 

 

・受賞歴、ランキング

2010年第14回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品

 

「ダ・ヴィンチ」プラチナ本選出 

 


・読了日

2017年12月23日

 


・読了媒体

cocoon(秋田書店)

 


・感想メモ(※内容についての記述有り)

読むのがつらい本だった。戦争漫画なので登場人物たちはどんどん傷付き、死んでいく。今日マチ子の柔らかい絵や線でもそれらの描写はもちろんつらい。作者の絵柄で一層つらく感じるのかもしれない。

 

 

本作を読みながら、題のcocoon(=繭)についてずっと考えていた。主人公=羽化しても飛ぶことのできない蚕死んだ友人=飛んでいる蝶の対比はどう見るべきなのだろうか?あとがきには作者自身による解説がある。それによれば繭は作品の外部に存在するものだとも読めるが…。

 

 

亡くなった友人に花を供える(手向ける)ことのできなかった主人公だが、最後のコマでは主人公と共に亡くなった友人たちと同じ数の花が描かれる。カバー絵で花を握りしめている主人公は、ラストシーンではその脇を振り向きながら通り過ぎていくことになる。

 

 

「新しい世界」と題された最終話ではそれまでとは一転して明るい希望に満ちた雰囲気となり、この作品は終わりを迎える。しかし読者が明るい気分でこの作品を読み終えることはないだろう。やり切れない苦い思いばかりが強く残った。(2017.12.23)

*1:旧字体