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氷菓 /米澤穂信

・形式

 小説、連作短篇、日常ミステリー、学園

 


・あらすじ

大人気シリーズ第一弾! 瑞々しくもビターな青春ミステリ!

 

何事にも積極的に関わらないことをモットーとする奉太郎は、高校入学と同時に、姉の命令で古典部に入部させられる。
さらに、そこで出会った好奇心少女・えるの一言で、彼女の伯父が関わったという三十三年前の事件の真相を推理することになり――。
米澤穂信、清冽なデビュー作!


いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実―。何事にも積極的には関わろうとしない“省エネ”少年・折木奉太郎は、なりゆきで入部した古典部の仲間に依頼され、日常に潜む不思議な謎を次々と解き明かしていくことに。さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリ登場!第五回角川学園小説大賞奨励賞受賞。

 


・収録話数

 


・初出

書き下ろし

 


・刊行情報

氷菓(角川スニーカー文庫)

2001年11月

 

氷菓(角川文庫)

2001年10月28日

 


・受賞歴、ランキング

第5回角川学園小説大賞(ヤングミステリー&ホラー部門)奨励賞

 


・読了日

2009年2月11日

 


・読了媒体

 氷菓(角川文庫)

 


・感想メモ

新幹線で地元のまで帰るときに、眠かったんですが乗り過ごすのが怖いので眠るわけにもいかず、半分ぐらい寝ながら本を読んでいました。そこで読んだのが、米澤穂信さんの「古典部シリーズ」と「小市民シリーズ」です。名前を聞いたことがあって興味があったことと、あまり難しくなく気軽に読めるものをと思って、これにしました。長さも僕の好きな長めの中編から短めの長編ぐらいで良いです。

 

題材とか登場人物とか


題材はミステリーですが、殺人事件が起こったりするのではなく、日常の小さな謎を解決していきます。「金田一少年の事件簿」や「名探偵コナン」よりは、はやみねかおるさんの「夢水清志郎シリーズ」に近いと思います。内容にもあるとおりですが、いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実……など。

 

 

舞台はとある高校の古典部です。古典部とは何をする部活か。何もしません。他の部活で、終わった後部室で話したり少し遊んだりすると思いますが、それが中心の活動になっている部活と言っても良いような部活です。

 


主な登場人物は4人です。米澤さんによると、シャーロック・ホームズシリーズでの、ホームズを折木、依頼人を千反田、ワトスンを福部、レストレードを伊原と当てはめて設定、性格が作られたとのことです。

 


主人公は、折木奉太郎。いわゆる探偵役です。ホームズシリーズと違うのは、語り手が探偵役である彼自身ということがあります。この前に紹介した、あさのあつこさんの「ガールズ・ブルー」に登場する美咲のようなところがあって、「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」をモットーとする「省エネ」主義者です。ワトスン役である、福部里志は豊富な知識を持っていますが、自分で推理をするということはあまりないようです。レストレードという推理モノにおいて少々残念な役に当てはめられてしまった伊原摩耶花は、まさしくレストレードの如く直線的に推理を展開します。そんな彼らをまとめるのが部長の千反田えるです。彼女が多くの謎を部に提供していきます。

 

構成について


本作は連作短篇集という形をとっていて、さらに作品全体に大きな謎があってそれを解決するように作品は展開していきます。また、物語はあくまで学校内での出来事が中心となっていますが、海外を放浪中の奉太郎の姉からの手紙や、「氷菓」事件での過去との邂逅など、時間的にも空間的にも広がりが感じられる構成になっています。

 


舞台が高校であることは僕とって、大きなプラスです。ミステリの中でも日常ミステリが好きですし、学園物も好きだし、部活を題材にした物語も好きだからです。「QED」でもそうでした。(2009.02.28)