本の情報ブログ 火の秋のモノガタリ

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バスジャック /三崎亜記

・形式

 小説、短篇集

 


・あらすじ

三崎亜記短編集「バスジャック」

あの『となり町戦争』に続く衝撃作!
話題のデビュー作に続く注目の第2作。バスジャックブームの昨今、人々はこの新種の娯楽を求めて高速バスに殺到するが…。表題作他、奇想あり抒情ありの多彩な筆致で描いた全7編を収録。


今、「バスジャック」がブームである―。バスジャックが娯楽として認知されて、様式美を備えるようになった不条理な社会を描く表題作。回覧板で知らされた謎の設備「二階扉」を設置しようと奮闘する男を描く「二階扉をつけてください」、大切な存在との別れを抒情豊かに描く「送りの夏」など、著者の才能を証明する七つの物語。

 


・収録話数

 全7編

 


・初出

二階扉をつけてください  小説すばる、2005年2月号

しあわせな光       小説すばる、2005年3月号

二人の記憶        小説すばる、2005年4月号

バスジャック       小説すばる、2005年6月号

雨降る夜に        小説すばる、2005年8月号

動物園          小説すばる、2005年7月号

送りの夏         小説すばる、2005年9月号

 


・刊行情報

バスジャック(集英社)

2005年11月26日

 

バスジャック(集英社文庫)

2008年11月1日

 


・受賞歴、ランキング

第59回日本推理作家協会賞短編部門候補( 「バスジャック」)

 


・読了日

2009年3月20日

 


・読了媒体

 バスジャック(集英社文庫)

第1刷

 


・感想メモ

今回読んだのは、近頃いろんなブログ及びサイトでよく名前を見かけるようになった、三崎亜記さんの小説です。前作の、「となり町戦争」はネットでの評価が高かったので楽しみにして読んだんですが、そこまで手放しでおもしろいとは感じませんでした。今回も楽しみに読んだんですが、何か相性の悪さを感じてしまいました。

 

世界観について


バスジャックが娯楽として整備された世界、二階扉の設置が求められる世界、そんな不条理な世界観は、カフカ的、安部公房的とも言えます。そのような世界観は好きなのですが、本作はオチが気に入らなかったのだと思います。

 


「二階扉をつけてください」は、発想自体はとても個性的だし、こういう話を書ける人はそうそういないと思うんですが、なんて言うか「こういう話にしたんだ」と腑に落ちないところがありました。この二階扉の話はとくに良かったと思うんですが、用途を多少なりとも書いてしまってせいで、オチを付けに行ったような無理な印象を受けました。

 


カフカって、一旦こうだと小説の中で設定したことは最後までそうだとしていたと思うんですが、三崎さんの場合は途中でそれが異常なものだと覆しています(送りの夏)。この辺りが僕の苦手な理由なのかも知れません。(2009.03.20)