本の情報ブログ 火の秋のモノガタリ

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腑抜けども、悲しみの愛を見せろ /本谷有希子

・形式

 小説、長篇

 


・あらすじ

「お姉ちゃんは最高におもしろいよ」と叫んで14歳の妹がしでかした恐怖の事件。妹を信じてはいけないし許してもいけない。人の心は死にたくなるほど切なくて、殺したくなるほど憎憎しい。三島由紀夫賞最終候補作品として議論沸騰、魂を震撼させたあの伝説の小説がついに刊行。 「劇団、本谷有希子」の第1回公演の演目を大幅に改稿した小説。第18回三島由紀夫賞最終候補作。

 

「あたしは絶対、人とは違う。特別な人間なのだ」女優になるために上京していた姉・澄伽(すみか)が、両親の訃報を受けて故郷に戻ってきた。その日から澄伽による、妹・清深(きよみ)への復讐が始まる。高校時代、妹から受けた屈辱を晴らすために。小説と演劇、2つの世界で活躍する著者が放つ、魂を震わす物語。

 


・収録話数

 


・初出

群像、2004年12月号

 


・刊行情報

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ(講談社)

2005年6月30日

 

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ(講談社文庫)

2007年5月15日

 


・受賞歴、ランキング

第18回三島由紀夫賞候補(新潮、2005年7月号)

 

島田雅彦

 

高樹のぶ子

 

筒井康隆

 

福田和也

 

宮本輝

 


・読了日

2008年9月5日

 


・読了媒体

 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ(講談社文庫)

 


・感想メモ

あらすじを見ると、「恐怖の事件」だとか、「殺したくなるほど憎々しい」とか、「復讐」だとか、書いてあってドロドロした物語を想像されるかも知れませんが、そんなことはなくふざけた物語です。

 


登場人物は、宍道、澄伽、清深、の三兄妹と宍道の妻である待子の四人です。

 


タイトルから考えると、腑抜けどもというのは上の4人のことを表しているようです。しかし僕の抱いた感想は、4人が不器用というものでした。

 

 

この4人は、確かにこんな人いるなと思わせる点が多々ありますが、特に澄伽は現在問題となってテレビにも取り上げられているような、モンスターペアレントを彷彿とさせるものがあります。それでいて筆者が用意した結末というのが、これらを的確に風刺しているように思えます。

 


一番おもしろい点は、「人から笑われている人が、人を笑う」という事だと思います。五十歩百歩や目くそ鼻くそを笑うなど慣用句としても生きている言葉が物語として、表現されているというのが、非常に滑稽でした。(2009.01.07)