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キノの旅―The beautiful world /時雨沢恵一

・形式

 小説、連作短篇、ファンタジー

 


・あらすじ

「キノはどうして旅を続けているの?」 「ボクはね、たまに自分がどうしようもない、愚かで矮小な奴ではないか? ものすごく汚い人間ではないか? なぜだかよく分からないけど、そう感じる時があるんだ……でもそんな時は必ず、それ以外のもの、例えば世界とか、他の人間の生き方とかが、全て美しく、素敵なものの様に感じるんだ。とても、愛しく思えるんだよ……。ボクは、それらをもっともっと知りたくて、そのために旅をしている様な気がする」 ―――短編連作の形で綴られる人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。今までにない新感覚ノベルが登場!

 


・収録話数

プロローグ  「森の中で・b Lost in the Forest・b」

1     「人の痛みが分かる国 I See You.」

2     「多数決の国 Ourselfish」

3     「レールの上の三人の男 On the Rails」 

4     「コロシアム Avengers」

5     「大人の国 Natural Rights」 

6     「平和な国 Mother's Love」 

エピローグ  「森の中で・a Lost in the Forest・a」

 


・初出

電撃hp Vol.6、2000年3月

 


・刊行情報

キノの旅 the Beautiful World(電撃文庫)

2000年7月10日

 


・受賞歴、ランキング

 第6回電撃小説大賞最終選考

 


・読了日

 


・読了媒体

 キノの旅 the Beautiful World(電撃文庫)

 


・感想メモ

本作は6作の短編とプロローグ、エピローグから成る、小説集です。6つの短編があって、キノという旅人と喋ることのできるモトラド(注・二輪車)のエルメスの一人と一台が旅をして各国を巡っていく様子、並びに道中の様子を小説にしたものです。

 


作中に於いて国とは、広大な領土を持ち、議会制を採用している現行の社会とは異なり、古代ギリシアに於ける、都市国家のようなものであり、一つの町がすなわち一つの国として成り立っているようなのですが、シリーズを通して見ますと、人口、国力もかなりの違いが見て取れますので、そこまで重要な要素ではなく、あくまで話の舞台としての意味合いが強いようです。

 

作中に登場する国々

 


この小説の中に登場する国は、いずれも間違ってしまった国ばかりです。

 


国家が思い切った政策を実行段階へと移行させるとき、利点に注目するのはもちろん、悪い点にも対策を練らなければなりません。しかし作中の国家はそれをしていないのです。つまりは、行き当たりばったりなのです。その場その場で対応しているというのとは言葉の意味合いが違います。

 


歴史に、もしこうだったらというのは禁忌ですが、この作品はそれを体現している作品だと思います。こうだったらどうなっていたのか。こんなものがあったらどうなるのか。人間の心理にも触れているところも秀逸です。

 


途中のキノとエルメスの掛け合いも楽しいです。(2008.11.06)