本の情報ブログ 火の秋のモノガタリ

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クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識 /西尾維新

・形式

 小説、長篇

 


・あらすじ

人を愛することは容易いが、人を愛し続けることは難しい。人を殺すことは容易くとも、人を殺し続けることが難しいように。生来の性質としか言えないだろう、どのような状況であれ真実から目を逸らすことができず、ついに欺瞞なる概念を知ることなくこの歳まで生きてきてしまった誠実な正直者、つまりこのぼくは、5月、零崎人識という名前の殺人鬼と遭遇することになった。それは唐突な出会いであり、また必然的な出会いでもあった。そいつは刃物のような意志であり、刃物のような力学であり、そして刃物のような戯言だった。その一方で、ぼくは大学のクラスメイトとちょっとした交流をすることになるのだが、まあそれについてはなんというのだろう、どこから話していいものかわからない。ほら、やっぱり、人として嘘をつくわけにはいかないし――戯言シリーズ第2弾

 


・収録話数

第一章 斑裂きの鏡(紫の鏡)

第二章 遊夜の宴(友夜の縁)

第三章 察人期(殺人鬼)

第四章 赤い暴力(破戒応力)

第五章 酷薄(黒白)

第六章 異常終了(以上、終了)

第七章 死に沈む(シニシズム)

第八章 審理(心裡)

終章 終われない世界

 

 

・初出

 

 

・刊行情報

クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識(講談社ノベルス)

2002年5月8日


クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識(講談社文庫)

2008年6月13日

 

 

・読了日

2008年8月3日

 


・読了媒体

クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識(講談社ノベルス)

第八刷

 


・感想メモ

ざれごと 【▽戯れ言】

〔補説〕 「ざれこと」とも
ふざけて口にする言葉。たわむれの言葉。冗談。  

 


主人公であるいっくん(いーちゃん)が考え、ときに呟いているのはすべて冗談なのだろうかと考えると、著者が仕掛けた沢山の行動や登場人物が話した言葉の中でそれが一番残酷なことではないかと思える。でもそんなことはあまり気にせず文中の意味は、考えても仕方がないこと=詮無きことと理解するのが適切であろう。

 


『クビキリサイクル』での舞台鴉の濡れ羽島、絶海の孤島や天才達が集められた前作とは異なり、本作は京都市内が舞台であり、登場人物達も天才達というわけではない、一介のクラスメートや、アパートの隣人が主体である。というわけで警察も通常の業務を行っている。

 


殺されても良く死体を見ることを何とも思わない男「いっくん」と、連続殺人鬼「零崎人識」。そんな環境で、二人が出会ったとき、彼らの間に一風変わったといっても、友人と言って差し支えない関係が構築されたことはどんな皮肉だろう?欠陥品と人間失格を認め合うお互いがお互いを尊重しているというのもどういうことなのだろうか?

 


彼らにとっては、死ぬこととか、生きる意味とか、人を殺して良いのかとかいうことは、88オセロは一体どうなのかとか、この場に一億円あったら何に使うのかといったことと同じ程度しか重要でないのかも知れない。

 


いっくんの話し方が(ときに他の登場人物も)演説のように朗々と話し続けていくところがなんとも良い。リズムが良くてどんどん読んでいくことができる。(2008.08.03)