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有頂天家族 /森見登美彦

・形式

小説、長篇

 


・あらすじ

千年の都・京都。ここでは古来より、人に化けた狸と天狗が、人間社会に紛れて暮らしていた。糺ノ森に住む狸の名門・下鴨家の父であり、狸界の頭領「偽右衛門」でもあった総一郎は、ある年の瀬に人間達に狸鍋にされ、帰らぬ狸となってしまった。
遺された「下鴨四兄弟」の三男で「面白く生きる」がモットーの矢三郎は、天狗の赤玉先生の世話をしつつ弁天の美しさに魅かれ、夷川家の金閣・銀閣と張り合うなど退屈する暇もない。長男・矢一郎は次期「偽右衛門」を目指す。しかし下鴨家は、父を狸鍋にした金曜倶楽部に狙われる。
父の死に秘められた真実が明らかになり、下鴨家の逆転劇が始まる。

 


・収録話数

 


・初出

 


・受賞歴、ランキング

第5回2008年本屋大賞 第3位

 


・読了日

2008年2月5日

 


・読了媒体

有頂天家族(幻冬舎)

 


・感想メモ

傑作です。


登場人物とは言えないかも知れませんがは、狸と天狗と人間です。人間が少ないです。


狸の四兄弟の長兄は意外とあわてんぼうであり、次兄はひきこもり。日々、京都の町を闊歩する三男(主人公)、その弟である四男は、化けている最中にふとしたことからしっぽを出してしまうような未熟者です。


他にも、四字熟語を愛用する(こちらも)兄弟や、三男の元許嫁でありながら、けっして姿を見せようとしないその妹など魅力的な存在は数多いです。


飛べない天狗と、飛べる美女も登場します。


選挙を戦ったり、狸鍋がでできたり、とんでもない大騒動を繰り広げるたりする「本当」にとんでもない話なのです。ですが、個性的な登場人物と森見の独特な言いまわしのおかげで、その不可思議ながらも微笑ましい本作の世界が引き立てられています。


「夜は短し歩けよ乙女」を読んで、こんなに面白い作品を読んだ後に、この著者の別の作品を本心から楽しめるか不安もあったのですが、どうやら杞憂だったようです。


最新の本屋大賞にノミネートされており、伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」や、桜庭一樹「赤朽葉家の伝説」などとの激戦が予想されますが、本作の上位は確実でしょう。(個人的には伊坂幸太郎に受賞してもらいたいのですが、「ゴールデンスランバー」よりは本作のほうが楽しめたというのが率直な感想です。)


続編があるということで、そちらも期待大です!(2008.02.05)

 

 

当年の本屋大賞の第1位が伊坂幸太郎のゴールデンスランバーに決まり大喜びをしたことをよく覚えているのだが笑(2017.10.18)