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蛇にピアス /金原ひとみ

・形式

小説、長篇

 

 

・あらすじ

ルイはアマのスプリット・タンに惹かれ、シバさんの指導の下、自分の舌にもピアスを入れる。さらにシバさんに、背中に麒麟と龍の刺青を入れてもらう約束も取り付ける。しかし、アマと喧嘩した暴力団風の男の死亡記事を見てから、ルイに不安が襲い始める。

 


・収録話数

 


・初出

すばる、2003年11月号

 


・受賞歴、ランキング

第27回すばる文学賞(すばる、2003年11月号)

 

川上弘美

 

笙野頼子

 

辻仁成

 

藤沢周

 

又吉栄喜

 

 

第130回芥川龍之介賞(文藝春秋、2004年3月号)

 

池澤夏樹△

「なにしろ痛そうな話なので、ちょっとひるんだ。道具立ては派手だが、これもまた一種の純愛なのだろう。」

 

石原慎太郎×

「私には現代の若もののピアスや入れ墨といった肉体に付着する装飾への執着の意味合いが本質的に理解出来ない。」

 

黒井千次〇

「一人称の持つ直截さが存分に活用された末に、殺しをも含む粗暴な出来事の間から静かな哀しみの調べが漂い出す。その音色は身体改造にかける夢の傷ましさを浮かび上らせるかのようだ。」

 

河野多恵子〇 

「主人公が彫ってもらう刺青に関する部分は簡略で、全篇中そこだけ鮮明さも足りない。が、この部分で強い印象を与える描き方がなされていたならば、作品は割れていたことだろう。結末も、見事なものだ。読書はここで、主人公と殺されたアマとの繋がりの深さを陰画のかたちで今更ながら訴えられる。」

 

高樹のぶ子〇

「社会との関わりは作者の手にあまり小さな破綻となったが、作品全体の求心力は失われなかった。今後の方向は見えないが才能のある人だ。」

 

古井由吉

 

三浦哲郎〇

「ピアスや刺青の世界には全く不案内で、終始目をまるくして読んだが、驚いた。芯のある大人びた文章で、しっかりと書いてある。ところどころで理解を越えた表現に遭遇して面食らったものの、全体として面白く読むことができた。」

 

宮本輝◎

「読み始めたとき、私は「ああまたこのての小説か」と思ったのだが、読み終えたとき、妙に心に残る何かがあった。それで日を置いてもう一度読み直した。作品全体がある哀しみを抽象化している。そのような小説を書けるのは才能というしかない。」

 

村上龍◎

「最初読んだときは、妙な居心地の悪さを感じた。作者の才能が作品の細部に表れていないということだった。だが、再度読み返し、麒麟と龍の刺青を入れたあと主人公がわけもわからず生きる力を失っていく箇所を読んで、わたしの異和感がほぐれていった。」

山田詠美△

「良識あると自認する人々(物書きの天敵ですな)の眉をひそめさせるアイテムに満ちたエピソードの裏側に、世にも古風でピュアな物語が見えて来る。」

 


・読了日

初読日不明

 


・読了媒体

蛇にピアス(集英社)

 


・感想メモ