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沖で待つ /絲山秋子

・形式

小説、中篇

 


・あらすじ

同じ福岡支社に配属された同期の太っちゃんと私は、恋愛関係ではないが分かり合える間柄。二人はどちらかが死んだら、お互いのHDDを壊して人に知られたくない秘密を守るという約束をする。私の方が先に死ぬと思っていたのに、ある日太っちゃんは不慮の事故で命を落としてしまう。

 


・初出

文學界、2005年9月号

 


・受賞歴、ランキング

第134回芥川龍之介賞(文藝春秋、2006年3月号)

 

池澤夏樹〇

「事故を契機に星形ドライバーが用いられることによって、短篇としての結構ができあがる。見事な話だと思う。」

 

石原慎太郎 

 

河野多恵子◎

「一人称、しかも話言葉という、無駄の生じる危険の多い形式を用いておりながら、その無駄のなさは小気味がよいほどで、正味のおいしさに富んでいる。現代の本式の職業をこれほどまでに自由に書きこなした『沖で待つ』の新しさには瞠目する。」

 

黒井千次◎

「短さの中に必要かつ充分な内容を盛り込んだ秀作である。二人が女と男であるために、一見遠ざけられたかに思える性の谺が微かに響き返して来るところにも味わいがある。なによりも仕事の現場感覚が人物を支えているところに作の強みが宿っている。」

 

高樹のぶ子△

「二人の信頼関係はきちんと書かれているし心地良く読めるのだが、このような仕組みが置かれる以上、ハードディスクの中に何が入っているかが気になる。何かもうひとつ、短篇としてのコワさが欲しかった。」

 

宮本輝〇

「私は二回読んだ。一回目は、いつもの絲山氏の世界だという感想しか持てなかったが、二回目に読み終えたとき、かなり印象が変わった。あまりに小品ではあるが、氏の作家としての安定感は納得せざるを得ない。」


村上龍 

 

山田詠美〇

「友人でもなく、恋人でもなく、同僚。その関係に横たわる茫漠とした空気を正確に描くことに成功している。」

 


・読了日

初読日不明

 


・読了媒体

沖で待つ(文藝春秋)

 


・感想メモ