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赤頭巾ちゃん気をつけて /庄司薫

・形式

小説、長篇

 


・あらすじ

学生運動の煽りを受け、東大入試が中止になるという災難に見舞われた日比谷高校三年の薫くん。そのうえ愛犬が死に、幼馴染の由美と絶交し、踏んだり蹴ったりの一日がスタートするが―。真の知性とは何か。戦後民主主義はどこまで到達できるのか。青年の眼で、現代日本に通底する価値観の揺らぎを直視し、今なお斬新な文体による青春小説の最高傑作。「あわや半世紀のあとがき」収録。

 


・収録話数

 

 

・初出

中央公論、1969年5月号

 


・受賞歴、ランキング

第61回芥川龍之介賞(文藝春秋、1969年9月号)

 

石川淳○

「車はうごかなくても、車輪がくるくるまわっているので、車がうごいているように見える、そこに「赤頭巾ちゃん気をつけて」のスタイルの面目がある、それがおもしろくないこともない。そういっても、スタイル一手で押しきってカンペキと申すまでには至らない、それほどお立派なものではない、やりそこないの部分をもふくめて、このスタイルは一つの価値を作っている。」

 

石川達三△

「種々の疑問があって、私は推薦に躊躇した。甚だ饒舌的で、あり余る才気を濫用したようなところがあり、また日常的な通俗さを無二無三に叩きこんで、ユーモア大衆小説のようでもある。」

 

井上靖〇

「最後に私自身は多少の不安はあったが、「赤頭巾ちゃん」にしぼった。不安というのは、作品全体から感じられる新鮮な感覚の中に、時折、汚れというか分別臭いというか、そうしたものが顔を出しているからである。」

 

大岡昇平◎

「現代の典型の一つを、「猛烈」「最高」など流行語で書き表しているのに興味を惹かれました。この作品が「新しさ」という点で、芥川賞にふさわしいのではないか、と推薦しておきました」

 

川端康成×

「おもしろいところはあるが、むだな、つまらぬおしゃべりがくどくどと書いてあって、私は読みあぐねた。」

 

瀧井孝作◎

「現今の学校卒業生の生活手記で、十八歳の少年にしては余りにおしゃべりだが、この饒舌に何か魅惑される、たぶらかされる面白味があった。」

 

永井龍男△

「「薫」というあやつり人形は巧みに踊るが、人形使いの姿が露出する個所もあるのである。まことに気がきき才筆なことは確かだが、アイスクリームのように溶けて了う部分の多いことも、この作品の特徴であろう。」

 

中村光夫×
「才筆には違いありませんが、僕は最後まで興味を覚えることができませんでした。現代をこのような形で表現しようとする企図はたしかに独創的であっても、それはこのような饒舌を読者におしつける弁明にはならないでしょう。」

 

丹羽文雄〇

「面白い小説のジャンルでは群を抜いていた。」

 

舟橋聖一〇
「書き出しから、ある病院の女医さんに生爪を剥がした指の治療をしてもらうあたりまでは快調なタッチで、わかりやすく読ませる。高校生らしい純情と不純が巧みにないまぜられている。」

 

三島由紀夫◎

「才気あふれる作品だと思う。饒舌体で書きつらねながら、女医の乳房を見るところや、教育ママに路上でつかまるところなどは、甚だ巧い。」

 


・読了日

初読日不明

 


・読了媒体

赤頭巾ちゃん気をつけて(中央公論社)

赤頭巾ちゃん気をつけて(中公文庫)

赤頭巾ちゃん気をつけて(新潮文庫)

 


・感想メモ