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奇妙な仕事 /大江健三郎

・形式

小説、短篇

 

 

・初出

東京大学新聞、1957年5月

 

 

・受賞歴、ランキング

東京大学新聞五月祭賞

 

 

・読了日

2017年2月19日

 

 

・読了媒体

見るまえに跳べ(新潮文庫)

 

 

・感想メモ

常に日本語と文体について考えてきた大江健三郎には失礼な話だが、既に本作の時点で大江の文体はある程度の完成を見せており、一読しただけで氏のそれと分かるようなものだ。

 

女子学生の口にする「火山」は一昨年の小説「火山」に由来するものか。しかし「火山」は未読でありどのような意識があったかは分からない。

 

とくに初期大江の特徴である動物が登場する。本作では犬だ。150匹もの杭につながれてすっかり敵意をなくしてしまった犬。僕はすぐに日本の姿を想起したが、その後に政治的な要素が否定されていること、また当時の大江の作品からも、これは青春の敗北に際して疲弊しきっている青年たちの姿か。

 

とにかく小説や文体から若々しい印象を受ける。「僕は政治をふくめてほとんどあらゆることに熱中するには若すぎるか年をとりすぎていた。僕は二十歳だった。」なんてまるで村上春樹みたいな年齢に対する感覚*1、感傷的かつ悲観的な感覚があったからだろうか?(2017.08.29)

*1:もちろん本来は逆だ